サルタリィ・ベンは、競走馬飼料・競走馬サプリメントを通して丈夫な馬づくりを応援しています。
競走馬飼料として多用されているゼラチン、コラーゲンとアミノ酸の補給を目的とした純品100%タイプゼラチンは、 予防医学の素材としても重要な物質です。
運動器(蹄・骨・関節など)の健康に!若馬の成長に!胃腸の健康・疲労回復に!
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第1章:健康な馬には『栄養と運動』が必要!!
第2章:競走馬・競技馬の運動器官の管理と飼養(栄養)管理を如何にすべきか?
第3章:馬の栄養管理について
第4章:馬の感覚器系の仕組みを知り予防医学と馬の習性や心理の一部を解き明かそうではありませんか?

第3章:馬の栄養管理について


この3章では、馬の栄養の基本的なあり方、あるいは馬の飼料としての牧草や栄養補給、出生から育成期までのエサや
飼い方そして病気、馬の栄養必要量と質や放牧地、更には牧野管理と寄生虫対策などを呟いてみたい。
多くのサラブレッドの病理解剖を行ってきて栄養管理の大切さを痛感させられたからです。
左側:霧島草競馬での一コマ;健康な馬に跨って出場する子供達の生き生きとした姿。
右側:日高における放牧場と兼用の採草地;タンポポが生えてきていますね。

□ 第3章 □

(第1話)基本的な馬の栄養とは何か!!

(第2話)馬の体調維持に必要なミネラルとビタミン

(第3話)実際に使われている馬の飼料とその栄養価について

(第4話)出生〜若馬の飼養管理について1 出生〜離乳まで

(第4話)出生〜若馬の飼養管理について2 離乳後〜育成期の疾病予防対策

(第5話)馬の養分必要量と個体別飼養管理の重要性 1

(第5話)馬の養分必要量と個体別飼養管理の重要性 2

(第1話)基本的な馬の栄養とは何か!!

*馬も人間と同様に体調を維持するための栄養と運動に特別に必要な栄養があるはずだが、
 先ずは馬の体にとって基本的な栄養とは何かについて考えてみたい。

1.栄養に関する日本の諺・言葉
  日本では古くから人間生活との結びつきの深い馬の餌についての関心が高く、関係する諺・言葉は数多く
  残されています。
1)馬が肥ゆ(うまがこゆ)秋になって、馬が肥えてたくましくなる意味で、『天高く馬肥ゆる秋』のことわざが
  あります。
2)鯨飲馬食(げいいんばしょく)
 *鯨が水を飲むように多量に酒を飲むことのたとえ言葉。また、馬が多量に食することを言う。
 *鯨は、牛の仲間で胃を4室もっています。第1胃は食道の膨隆部で、摂取したイカなどを蓄積しておく、
  第2胃と3胃は消化液を分泌して消化し、第4胃は十二指腸への導入部といった構成になっています。
 *馬食は『牛飲馬食』とも言われるように馬はよく食べるというたとえ言葉に使われていますが、
  実際には馬の胃は小さく少食なのです。その代りと云ってはなんですが回数を多く取っています。
3)軽裘肥馬(けいきゅうひば)
 *軽裘とは、軽くて上等な皮衣(かわごろも)のことです。よって、高貴な人の外出するときのいでたちを
  言うのですが、
一方の肥馬は栄養の良い馬で裕福なことを馬に例えて言っているのかもしれませんね。
4)寝牛起馬(ねうしおいうま)牛は臥し、馬は立つのを好む動物ですが、これは好みが各人各様であることの
  たとえを牛と馬に例えて表現しているのです。

5)乞食(こじき)が馬をもらう:身分不相応のものをもらって迷惑する意味なのです。

2.馬の栄養(生理)に関する基本的な7つの物質とは何か
@ 最も重要な栄養素は;水分、エネルギー源、タンパク質、カルシウム、リン、ビタミン、電解質である。
A 良質な飼料を使っていれば、7つの栄養素以外は必要ないことになるが⇔そうはいきません。その個々の内容を
  しっかり知ってみようではありませんか!!

B 馬に必要な栄養とその生理機能(作用機序)を知り、丈夫な馬づくりに役立てましょう。

1)馬の水分
@ 馬が休息しているときの水分必要量は1日約25〜25ℓ。1日の飼料給与量の約2倍の量の水を飲むことになります。
A 気温30℃以上の猛暑では、飼料給与量1kg当り約8ℓの水を飲みます。
B 青草を食べている時は当然ながら水の量はかなり少ない。
C 常に良質で新鮮な水が飲めるようにしておくことが重要です。
D 体重の約2/3は水分からなっているのですが、発育期の若馬は更に水分量が多い。
E 身体の水分不足⇒通常は水分によって摂取した栄養素が細胞に運ばれるが水分不足だと運ばれる量が少なくなります
  ⇒更に老廃物の除去もスムーズに出来なくなり⇒発汗も少なく体温調節がうまくいかなくなります⇒そうすると
  飼い食いが減退してくる⇔体調がすぐれなくなります。
F 激しい運動の後は、馬を十分引き運動をして体温を平常に戻し、全身の水分や血液量を正常に戻してから
  水を飲ませてやること⇒疝痛や蹄葉炎予防のためでもあります。
G 長時間運動の後は、青草や乾草を与え、30〜90分休息させてから水を飲ませること。さらに穀類は水をのませてから
  与えることにしましょう⇔ノド詰りの予防になります。
H 日本の河川の無機成分量は低く、特にカルシウムは欧米にくらべてかなり低いので注意が必要です。
I 硬水(カルシウムとマグネシウムの総量が多い水)、軟水(硬水の逆)のどちらも飲むが無機物質が多く含む水は
  消化障害を起す率が高いので注意が必要です。

J 水はいつでも飲めるように自動給水装置がよい。しかし競走前の飲水は規制するのでバケツで飲ませるほうがよい⇔
  飲水量の計測・コントロールができるので。
K 脱水症;体液が馬体重の約3%失われると症状がでます。症状は皮膚の乾燥、体重減少、粘膜や眼の乾燥、尿の濃縮、
  尿量の減などを観察することになります。その原因は著しい発汗、激しい下痢、給水制限などによります。
L 水過剰症;病気治療で大量の輸液の場合が多いのですが、症状には四肢の浮腫・ムクミがみられることです。
M 水分の吸収部位;水分は直接胃から盲腸にはいり、腸管・特に大腸から吸収されることになります。

2) エネルギー源
@ 消化吸収した栄養素の80〜90%がエネルギー源となります。
A 飼料によるエネルギー供給源は、糖質、脂肪、タンパク質です。
B 糖質;ブドウ糖、デンプンなどの可溶性無機窒素物とセルロース(繊維質)で総称される
  炭水化物のことを言います。
C 炭水化物(セルロースを除く)は胃と小腸の酵素の働きで分解して吸収されます。セルロースは盲腸と大結腸内の
  バクテリアや原虫の助をうけて分解し、揮発性脂肪酸をつくり吸収されます。
D 脂質;穀類の中に多いのですが、消化されると小腸から吸収され、血管に入り皮下組織や臓器周囲の脂肪として
  貯蔵されることになります。
E 飼料が供給するエネルギーは、カロリーであらわしますが、1カロリーは水1グラムを温度1℃だけ高めるのに
  必要な熱量を言います。栄養学では1,000倍のキロカロリーで表すことが多い。
F タンパク質(約16%の窒素を含む);筋肉、皮膚、毛、血液、組織などの主成分であります。
G タンパク質内のアミノ酸は体の中で合成できるものを無必須アミノ酸、どうしても飼料で補ってやる必要のある
  必須アミノ酸があります。必須アミノ酸を多く含みバランスのよいタンパク質を良質タンパク質と言い、
  その逆は低質タンパク質と言います。
H タンパク質の多くを消化吸収する部位は小腸です。大腸でバクテリアによって合成されたタンパク質はほとんどが
  排泄されることになります。
I タンパク質は消化されて、アミノ酸として小腸から吸収され血液中に入るが少量のアンモニアも吸収されます。
  そのためにアルファルファやクローバーなどのマメ科牧草を多量に摂取すると⇒尿中に多量のアンモニアが排泄され
  ⇒馬房が強いアンモニア臭となりまた、更に多量の場合は肝臓や腎臓でアンモニアから尿素に変えて排泄する
  量が増え⇒多量の尿をつくることになります。
左側:日高の春にみる放牧地における親子。
右側:我が家の雨期の終わりごろに咲いたアジサイの一輪:


3)タンパク源
@ ダイズは馬のタンパク源としてよく配合されて使われています。
A 馬の発育に必須とされるリジンとアミノ酸;若馬の発育に必須である。リジンはダイズ粕の中に3%ほど含まれる
  大切なタンパク源でありますが、牧草には0.4%、穀物には0.5%しか含まれていません。
B 馬の必須アミノ酸であるメチオニンとともにリジンはカルニチンを作り⇔脂肪を分解します⇔体脂肪を減らすには
  リジンはなくてはならないものですが、リジンもメチオニンも穀物には少ないのが欠点です。
C 若馬・幼駒のタンパク源として脱脂粉乳は大切な高級タンパク源となります。
D 運動能力を高める必須アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンは筋肉の合成や有酸素運動能力向上に
  良いと人間で言われている物質です。
E 過剰のタンパク質摂取は尿の排泄量を増加させます。タンパク質は身体で分解され尿素とアンモニアを腎臓で薄めて
  排泄するので、尿量の増加が起こるのです。発汗も増します⇔尿の性状でタンパク質の過剰投与等の目安に
  することが可能です。
左側:日高の採草地にタンポポの密生。            右側:河口湖オルゴール館のバラの一輪。


4)糖蜜と水と食塩
@ 糖蜜は競走馬に良く使われる:ビートから砂糖を精製するときに出る物質で、甘いので馬の補強飼料として
  使われるが、禁止薬物のテオブロミンが入っていることがあるので注意が必要です⇔競走馬理化学研究所等で
  検査して使用するのが良いでしょう。
A スィート・フードと言う配合飼料;馬の食欲があまりないときや、競走前に与えるエネルギー源として、穀類を
  糖蜜でまぶして給与することが多い飼料です。
一般には、甘味濃厚飼料と言っているが、糖蜜はカリウムが多く
  含まれるので飼料配合の5%程度にすることが大切です。
B 馬の飲水はハンパじゃない⇔しかも馬は汗かきですので、咽喉の渇きがひどくなり多量の水を飲むことになります。
C 飲水はオチョボ口で唇の真ん中で吸い込んで飲んでいます⇔体重100kg当り約5ℓの水を1日で飲みます。
D 馬の体の60%は水分なのです。
E 飲水が充分でなければ脱水で死亡することになります。馬は体内水分の10分の1を失うと異常行動を、あるいは
  5分の1の消失で死亡(体内水分量が300ℓの馬では60ℓに相当します)します。
F 脱水に対する生体反応:馬の1日の水分排泄量は、尿で20%、発汗が多く30%、糞で50%。水分補給が不十分だと
  糞が硬くなります。
G 馬は食塩をたくさん摂取しても高血圧症にならない。馬は電解質の代謝が活発で、多量の発汗もハンパでないので、
  皮膚面に塩分を吹き出して排出していることからも伺えます。
H 食塩は自由に舐めさせると必要な量だけ摂取するので問題がありません。
I 汗をあまりかかない時期でも食塩1日80gは必要です。夏の発汗の激しい時は1日150g位が必要となります。
  馬の食塩過剰症はほとんど無い。
J 食塩が不足すると、生理的に異物を舐める。食塩不足は食欲の減退、削痩、樹木や岩石を噛み、汚物や尿をなめる
  異常行動をみることになりますので、日頃の注意が必要です。

5)カルシウム
@ 日本の多くの河川の水はカルシウム不足です。静内川で8ppm、イギリス馬産地では地下水に含まれるカルシウム
  (Ca)は非常に濃いことでも知られています。
A カルシウムの90%以上は骨と歯に含まれています。馬で摂取されたカルシウムの50%以上が吸収され体液に残るが、
  その多くは骨と歯に蓄積されているのです。
B 恒常性が強い血液中のカルシウム濃度。恒常性(こうじょうせい;常に一定の値を身体のなかに保っている)を
  調節しているのがカルシトニン・甲状腺ホルモンとパラソルモン・上皮小体・副甲状腺ホルモンの協調作用によって
  行われています⇔しかし日常の馬の管理で腎臓の老化や疝痛などでこのバランスが崩れるので注意が必要です。
C 骨粗鬆症は馬にも発生します:カルシウム給与不足や運動不足、ホルモンのアンバランスなどで起こります。
 ルーサン・アルファルファは牧草の王様とも言われ、タンパク質とカルシウムが豊富で、馬には良く使われます。
  多量に与えても尿がカルシウムで白濁するぐらいですので注意しながら与えること。


6)微量元素
@ 体には微量でも重要な役割を持ち必要とされる微量元素(亜鉛、銅、鉄、マンガンなど)などは、
  過剰に投与されると、カルシムやリンの吸収が邪魔されます。
また、カルシウムが多量に与えられるとこれらの
  微量元素の利用が阻害されるので注意が必要になります⇔微量元素であることを忘れて過剰・多量に与えると障害を
  起こすので注意を!! 多量に必要としないことから微量元素と言われているのをお忘れなく。
A マグネシュウムは神経の興奮作用を抑制し、しかも筋肉の収縮にも関係している物質です。
B 亜鉛が欠乏すると、被毛が悪くなり、蹄がもろくなります。また、発育期の馬では骨疾患が発生します。過剰では
  銅の吸収を抑えて骨端症や骨軟骨症を誘発するといわれています。
C 馬に多量の海藻類を与えるとヨウ素が過剰となり、甲状腺が腫れます。不足でも同様症状を示します。
D セレンの欠乏と筋肉の障害。セレニウムは坑酸化酵素であり、不足すると子馬の筋肉変性症・白筋症を発症し、
  跛行、歩行困難、筋痛、死亡することになります。

  アメリカではセレン欠乏を予防するために分娩3ヵ月前までにセレンを母馬に注射投与しています。
E セレンの過剰は欠乏よりも成馬では中毒が恐ろしい。失明、または厩舎内でぐるぐる回る協同運動失調症・旋回病
  起こします。
  また、切り尾病と言ってタテガミや尾の脱毛が起こります。
F 哺乳中の子馬は貧血が多いので鉄分を与えることです。馬乳中の鉄分は0.5〜0.9ppmしか含まれていないので、
  子馬には不足して貧血になる恐れがあります⇔生まれて2〜3ヵ月ぐらいから離乳食として少量ずつ与えると
  良いでしょう。鉄分は脾臓に貯蔵されますので。

 次回は馬の体調維持に必要なミネラルとビタミンについて述べます。

(第2話)へすすむ

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